ちょっと気になるメール・その34

KINGさん [福岡県 21歳学生] からの
自分の容姿についてのお悩みのメールです。

【御相談】
  2004年3月16日 KINGさん [福岡県 21歳学生] より

 初めまして。
 KINGと申します。
 21歳です。
 学生、福岡県です。
 どうか相談にのって頂けないでしょうか?

Q1・私は鏡を見るのが怖いときがあります。
 自宅の洗面台で髪をセットしてそこを出るまでは(洗面台の鏡では)自分で思うのもなんですが 「結構いけてるかな」 と思うんですがデパートの鏡や見慣れないその他の鏡では 「これが私の顔?」 とおもうくらい 「ブサイク」 に見えるときがあります。
 あまりにも 「ショック」 で、自宅の洗面所で顔をもう一度見てみると不思議な事にあれだけ 「醜かった顔」 が普段見慣れている自分の顔でした(この時点では自分の顔に納得している)。
 世界中にあらゆる種類の鏡、もしくは自分の顔が映し出される物がありますが、それらの違いでこんなにも自分の顔が違って見えるものなのかというのが私の一番の悩みです。
 私は実際はいけてるのかブサイクなのか自分の中でハッキリしたいのですがどうしたら良いか解りません。 どんな鏡を基準にしたらよいか。 というよりはどんな鏡で見ても常に自分が思い描いている(自宅の洗面所の鏡に写る顔)顔がどの鏡でも現れて欲しいです。
 なぜこうまで見え方が違うのでしょうか? 私の錯覚なのか、元々私はブサイクなのか、何がなんだかわかりません。

Q2・次の質問は写真写りに関してです。
 これも同様、結構いけてるかなと思う写真もあれば、ものすごくブサイクな写真があったりもします。 眉の形もメチャクチャ変になってるときがあります(これは写真のときのみ)。 実際はまっすぐな眉です。
 私はトムクルーズが好きで彼と同じ眉の形に4ヶ月かけてやっと同じにしました(太さも適度にあります)。 なのに写真ではまっすぐな形とは違い、変に曲がっていたり、細かったり、形として歪んでいるというか、こんな眉してねぇぞ!とおもうほど写真では変な形になります。
 鏡で実験して見ましたがどう眉を動かしてもあんなひどい形にはなりませんでした。 しかし、写真を撮ってるときはあのような眉になっているからこそそういうふうに写真に写っているわけで・・・・。 もう何がなんだかわかりません。 自分の顔がイメージしている顔(洗面台の鏡に映る顔)とあまりにも違いすぎて怖いです。

Q3・私は笑顔があまりいけてません。
 笑顔が正直苦手です。 笑うと目が細くなるし、眉の形もメチャクチャ変になってるときがあります(これは写真のときのみ)。 トムクルーズやデイビッドベッカムは笑顔がすごく素敵です。 目が細くなってもすごくかっこいいです。
 何が違うのでしょうか? 鏡でイメージトレーニングしているときとおなじように他人は私の顔をおなじように見えているのでしょうか?

Q4・私は他人の目で自分の顔を見る手段はないのでしょうか?
 人の目にどう写っているのかが知りたいです。

【Tarchanより返信】

 ホームページを見てくださってどうもありがとうございます。
 メール拝見させていただきました。 Q1〜4までの内容は一見違う質問のようでいて、実際はすべて同じ問題を別の表現で質問されているように、わたしには見受けられました。 つまり、鏡の前に立つ時も、写真映りに関しても、あなたは 「ブサイクに見える」 「何がなんだか分からない」 「人の目にどう写っているのかが知りたい」 とおっしゃっていますが、それらを一言で言うと、ようするに素のままの自分に自信が持てない、ということに尽きるのではないでしょうか。

 わたしはこういうご相談を受けた時、皆さんにはまず周囲の人間関係、特に親子関係の在り方を見直すことをおすすめしています。 あなたは恐らくこれまでの人生の中でありのままのあなたをご両親から受け止めてもらった経験がないか、自分のいい所を何か一つでも褒めてもらった経験がないか、あるいはどうでもいいことについてはいろいろお世話になったが、肝心なことについては、つまり、あなたが一番親にして欲しいことや一番褒めてもらいたいことについては、十分な満足が得られては来なかったのではないでしょうか。

 「ありのままの自分を受け入れられる」 という経験を積み重ねることは、自分に自信を持つ上では欠かせないことです。 人は人から褒められたり、応援のメッセージを受け取ることで、初めて自分に自信を持つことができる生き物なのです。
 不幸にもご家族からそのような応援のメッセージをもらえなくても、お友達からでもいいですし、全く見知らぬ他人からでもいいのです。 とにかく、自分に自信を付けてくれるような人と積極的にいい関係を作っていくことです。 これをまず最初にやることです。

 今のままでは永久に自分に自信を持つことは出来ません。 あなたがこれまで21年間生きてきて築き上げてきた数々の人間関係の中で、あなたが一向に自分に自信が持てなくなってしまったとすれば、あなたはそれらの人たちから前向きの心よりも、むしろあなたの心を後ろ向きにさせるような悪い虫をより多く受け取ってしまったようです。
 「笑顔があまりいけてません」 と思うこと自体が、それを雄弁に物語っています。 もしイケテル笑顔を作りたいと思うのなら、あなたが心の底から笑い合えるような人、本音で話し合える人、楽しさを共有できる人と積極的に付き合うことです。 けっしてあなたの後ろ向きな心(例えば、寂しさや愚痴や人の悪口)を刺激してしまうような人とは付き合わないことです。 もし今そのような人と付き合っているならば、即座に縁を切ることです。 たとえ親兄弟といえどもです!

 まずは親を含めた周囲の人間関係を根本から見つめ直し、自分に自信を付けさせてくれるような新しい人間関係を築かれていくことを、わたしは強くおすすめします。
 そうした努力を地道に積み重ねれば、いつか 「自分に自信を持てるあなた」 が 「自分に自信の持てないあなた」 を上回る日が必ず来ます。
 そうすれば、あなたの外見はあなたが自分で決めつけているほど 「ブサイク」 でも何でもないこと、ただ単にあなたの思いこみがそう見えさせていただけだということにも気づくようになるでしょう。

【御相談、またお願いします】
  2004年4月22日 KINGさん [福岡県 21歳学生] より・2回目

 どうもありがとうございました。 返信遅くなってしまいまして申し訳ありません。
 確かに思い当たる節があります。 まったく先生の言う通りです。 私は自分に自信がありません。
 私の場合、自分自身の事をよく理解できてないです。 自分は何者なのか? 自分はクズやろうなんじゃないか? 最低な人間じゃないか? でもあるときは俺って最高!とかグレイトだぜ!みたいな感じで気持ちが 「ハイ」 になったり舞あがったりすると自信過剰になってとてもすがすがしい気持ちになり・・・・・・。
 極端と言うか、天国と地獄みたいに気持ちがハッキリしてるんです。 真中というか、中間がなくて、気持ち的に最高と最低しかないんです。 どっちかしかないんです。
 つまり今日は最高な気分じゃなかったら最低な気分なんです。 今日が最低な気分じゃなかったら最高の気分なんです。

1.でも鏡によって自分の顔があんなにも違って見えるのもなのでしょうか?
 時には自分の顔を見るのが嫌になるくらい気持ち悪い顔に見える事があります。 見るに堪えない顔に映ってるときがあります。
 しかし時には最高だって思えるときもあるんです。 正直、顔にコンプレックスがないとは決して言えません。 でも鏡によってはまったく気にならなかったり、コンプレックスが強調されるかのように鏡に映ったり・・・。
 じぶんでは訳が解りません。 自分自身をコントロールできないのです。

2.他の人はこう言う事ってないんですか?
 鏡によって全然イメージと違って見えたりとか、なんじゃこれは?みたいな事ってないんでしょうか?

【Tarchanより返信・2回目】

 KINGさん、お久しぶりです。 お元気でしょうか。

 さっそくご質問の件ですが、人間の感情の中でとりわけ 「悦び」 の感情は自分独りでは一番把握しにくいものです。 あなたの気持ちが安定していないのは、おそらく誰からも悦びの共感をしてもらっていないからです。 つまり、人は誰かから共感されないと悦びの感情は分からないものなのです。
 あなたが自分で自分を最高と思っている時は、たぶんあなた自身の中から自然に湧いてきた素直な感情なのだと思います。
 しかし、いくらあなた自身がそう感じていても、「自分は誰からも悦ばれて(受け入れられて)いないんじゃないか」 という恐怖感・孤独感が上回った時に、あなたは自分を最低と感じてしまうと考えられます。 要するに自己不信ですね。 このような状態で鏡を見れば、どんな美男美女だろうと自分の顔が気持ち悪く見えてしまうものなのです。

 こうした自己不信の念を払拭するためには、前のメールでもお答えしたように、最高と感じているあなたを 「誰か」 から何回も繰り返し共感してもらう必要があります。
 その 「誰か」 は、親であったり、友人であったり、あるいは全く見知らぬ人であっても構いません。 こうした経験を地道に積み重ねていく以外に、自己不信の念を消す方法はないとお考えください。 時間はかかるかも知れませんが、自分に自信を付けるとは、元来そういうものです。 決して楽な道ではないことを肝に銘じて努力していって欲しいと思います。

 すべてはあなた自身の毎日毎時間の努力にかかっています。 頑張ってください!




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