ちょっと気になるメール・その21

”アキ”さん [東京都 15歳 女子学生] からの
「それでもやっぱりアイプチはダメですか?」 というご相談のメールです。

【お忙しいところすみません(>_<)】
  2002年6月9日 ”アキ”さんより

 こんにちは。 東京都在住のアキ(女)15歳、学生です。
 今日相談したい事はたーちゃんさんのHPにもたくさん質問が来ている内容なので、もしかしたら返事を書く時間がないかもしれませんが、切実なのでなるべくお返事下さい!!

 私が今悩んでいる事は、アイプチのことです。
 昨日友達と一緒にアイプチを買いました。 さっそくやってみたらずーっと憧れだったパッチリ二重がいとも簡単に実現し、言葉にならないほどの感動でした。
 ところで話は飛びますが、私には今、心からものすごく大好きな人がいます。 その人がもし別の誰かと付き合ったら、なんて考えるといてもたってもいられなくなり、今にも泣き出しそうです。 そのくらい大好きなんです。
 好きな人にはもちろん中身で勝負しなきゃいけないんでしょうが、私は今外見の事で悩んでいます。 1分1秒でも早くキレイになってその人を振り向かせたいんです。

 たーちゃんさんはアイプチは肌に悪いし逆に二重になりにくい事もあるし基本的に良くない、と言っていますが、確かにまぶた編を実行すればいずれは天然の二重が手に入るわけですから、その方がいいという事はよく分かっています。
 でも、頭では分かっているんですが今すぐにキレイになりたい、という思いが強いのでどうしても楽なアイプチに手が伸びてしまうのです。
 それでもやっぱりアイプチはダメですか?? 学校に行ってる間だけでもいいので今すぐ二重になりたいんです!

 私がアイプチにこだわるのにはもう1つ訳があります。
 私の友達にアイプチをして二重になっている子がいるんですが、その子が今すごくモテてるんです。 そういうのを見ると私もしたい〜!という風になってしまうんです。
 でも一生アイプチで過ごすというのも少し無理がありそうだし、やっぱり1番欲しいのは天然の自然な二重です。
 でも今すぐに二重になりたいんです。
 このワガママな願いを実現させるにはどうしたらいいですか?? 今はアイプチをしていずれは本物の二重になれる方法を教えて下さい!!
 ワガママでごめんなさい!(>_<) 恋をすると必死になってしまうんです!(^^;)
 とりあえず明日はアイプチして行ってみようかと思うんですが・・
 FROM あき

【返信】

 アキさん(そらさん)お久しぶりです。 お元気でしょうか。
 去年の9月に下さったメールでは奥二重になったということで、わたしも大変うれしかったのですが、そのあなたが今度はアイプチをするようになってしまったということで、わたしは正直なところがっかりです。
 もちろん、あなたのような年頃には恋に必死になるのも無理はありませんし、大好きな男の子を何とかして振り向かせたいために 「何が何でも早く!」 という気持ちも分からないではありません。

 ただ、わたしとしてはその必死さを 「本物の二重を作る!」 という方向に出してもらいたいのです。 一度奥二重になってしまえば、その後は比較的短期間練習を重ねることで、くっきり二重を手に入れることが可能なはずです。
 もう一度考え直してまぶた編を実行してみてはいかがですか? 「今はアイプチをしていずれは本物の二重になれる方法」 というのはありません。 本物の二重を手に入れる方法はあくまでまぶた編を地道に実行することだけです。 アイプチを使わなければ二重にならないというのであれば、一生使い続けなければならなくなります。 それよりは今から努力をしておけば、より早く本物の二重を手に入れることができるのです。

 あなたは 「アイプチをしても二重になるんだから同じじゃないか」 と思われるかもしれませんが、両者の間には大変な違いがあるのです。 それは自己実現の末に作り出されたものか、あるいは自己否定の末に作り出されたものか、という違いです。
 自力で二重になるということは、単に二重を手に入れるということだけにとどまるものではなく、それ以上の効用があるのです。
 それは 「自分に自信をつける」 ということです。 自分自身の力で二重を手に入れたという悦びが、強烈な自信となって周りに対するアピールとなるのです。 そうした自信に裏打ちされた力こそが、本命の彼氏を引き寄せるチャンスを作り出すと言っても過言ではないのです。

 たしかにアイプチをしてすぐに二重になれば、彼との距離もグッと縮まるように見えるかもしれません。
 しかし、現実は逆なのです。 なぜかというと、がんばれば二重になることが分かっているのに、それをせずにアイプチに走ってしまうということは、その時点で自己実現を放棄し、自分を否定していることになるからです。 「どうせ自分は駄目な人間です」 と周りに宣言しているようなものです。
 そして、そういうサインはあなたが意識しようとしまいと必ず相手に伝わってしまうものなのです。 口で言わなくても雰囲気で分かってしまいます。(アイプチをしている子というのは、たいてい本人が気づいていないだけで、周りにはバレバレであることがほとんどなのです。)
 自分を受け入れてない(自己実現していない)女の子は他人をも受け入れることができません。 したがって、他人の幸せを応援することができません。 男の子というのは女の子に応援してもらいたくてしょうがない生き物ですから、そういう女の子の 「わたしはあなたを受け入れる資格もないし、実力もありません」 という否定のサインには敏感なのです。
 そんなあなたに心ある男の子は近寄ってくるはずがありません。 たとえ二重を手に入れたとしても、本物のきれいな二重を持つ女の子はそこらじゅうにいるわけですから、あなたは彼にとって永遠に 「そこら辺にいるただの女の子」 で終わってしまうことになるのです。

 実際、今のあなたは大好きな彼を他の誰かに取られないかとびくびくしていますね。 つまり、この時点で早くも自分に自信がないことを暴露しています。 そのため、仮にアイプチで二重を手に入れた結果、運良くその男の子と付き合うようになっても、「彼はいつか他の女の子に走ってしまうのではないか」 という見捨てられ恐怖はいつまでたっても消えることはありません。 むしろ、彼との交際が長引けば長引くほど増幅して行きます。 なぜなら一向に自分に自信が持てないからです。 それほどアイプチを使うことによる心理面での悪影響は計り知れないものがあるということです。

 「いや、そんなことはない。 現に、アイプチをしている友達は今すごくモテてるんです」 と言いたいでしょうが、冷静になってじっと観察してみてください。 彼女はそのうちの誰か一人とでも深い心の絆を作れているのでしょうか。 おそらくモテている自分に酔っているだけではないでしょうか。 こんな状態を長く続けていると、そのうち手ひどいしっぺ返しを食らうことになります。 ニセモノで他人を惹きつけようとする人間は、いずれ他人からもニセモノ扱いにされるからです。
 女の子は基本的に一人の男の子からたっぷりと愛されていればそれで十分です。 何人もの男の子からちやほやされる必要はありません。 また、何回も恋愛する必要もありません。 熱烈な恋愛を一回でも経験すればそれで十分です。 ですから、あなたが彼女を羨ましがる理由は何も無いのです。 あくまでその本命の彼氏に振り向いてもらう努力をするべきです。

 その素敵な彼との恋愛を現実のものにするためにも、わたしはぜひあなたに自力で美しさを手に入れるようにがんばってもらいたいのです。 そういうあなたの努力が本物のきれいな二重となって現れ、そうしたひたむきさがやがて彼の心に届き、本物の恋愛に発展するというのが理想だと思います。
 仮に、彼が他の女の子と付き合うようになっても、あなたにチャンスが無くなったわけではありません。 あなたが自己実現を目指してがんばっていれば、いつでも敗者復活は可能なのです。 チャンスは向こうからやってくるものではありません。 あくまであなた自身が作り出すものなのです。 それを可能にするものこそ自分に対する絶対的な 「自信」 なのであり、その自信をつける最良の方法こそ、「自力で美しさを手に入れる」 という方法なのです。

 意外と思われるかもしれませんが、このようなひたむきな努力こそ、素敵な異性を引き寄せる強力な武器となるものなのです。 つまり、そうしたひたすら自己実現を目指して努力する姿というのも、立派な外見の一部だということです。 男というのは、単に目が可愛いから寄って来るとか、そんな単純な生き物ではないのです。 ちゃんと見るべきところはしっかりと見ています。
 仮にアイプチをして二重になったとしても、本物の二重には決して表れることのないある種の 「不自然さ」 や 「わざとらしさ」 というのは、必ず目の表情や目つき、まばたきの仕方などに表れてしまうので、よほど鈍感な人間でない限り、誰にでも見破られてしまうものなのです。(ですから、もしあなたがアイプチの二重になったとたんにその彼が近づいてきたとしたら、その彼もまたニセモノだったということになりますから、彼のことはいさぎよくあきらめた方が賢明です。)

 ありきたりかもしれませんが、やはり常に第一希望で生きること、そのためには決して楽をしないこと、つまり、自分自身の気持ちに正直に生きることが、素敵な異性に振り向いてもらうための、長い道のりのようでいて、実は一番の近道なのです。
 あなたは 「やっぱり1番欲しいのは天然の自然な二重です」 と言っていますね。 つまり、これこそがあなたの第一希望のはずです。 どうかそれを簡単に捨ててしまうようなまねはしないでもらいたいのです。
 あなたは 「たかがアイプチをするくらいで…」 と思われるかもしれませんが、あなたが本当に幸せになれるかどうかの瀬戸際に立たされている重要な場面と思われますので、わたしはあえて口を酸っぱくしてアドバイスした次第です。 ぜひ、これを機会にもう一度よく考えてみてください。

 よかったら、またいつでもメールしてください。 わたしはあなたが納得するまでとことんまでお付き合いするつもりです。

 それでは失礼します。




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