ちょっと気になるメール・その30

KEIさんからの
メンスカデビューについてのご感想のメールです。

【初めまして】
  2003年8月29日 KEIさんより

 1年ほど前からtarchanさんのHPはちょくちょく拝見させて頂いておりました。
 初めまして、KEIと申します。

 この度新たなコラムの方を読み、今までの思いも含めてメールを出させて頂こうと思いました。
 まずはメンスカデビューおめでとうございます(^^)。 コラムからは緊張の段階が痛いほど伝わってきました。
 実は自分の話になって恐縮なのですが、私も自身の美意識がちょっと 『一般的』 でない(こういう言い方も嫌なのですが)方なのです。
 それは幼い頃から顕著で、お出かけ用のベロア地のワンピースとかストラップのついた、やっぱり“お出かけ用”の黒い革靴とかを普段の生活の中から普通に着ていたかった子供でした。
 イメージ的には西洋人形ってありますよね? レースやフリルがいっぱいついたドレスの。 高校生くらいからゴシックな方向へ興味が行ったのですが、これがまた自分の的をついたものだったらしく、いわゆる 『ゴシック』 『ゴシック・ロリータ』 『ロリータ』 と現在では呼ばれている方向へ(この3つはそれぞれ違うものです。ネットで検索すれば出てきます) まっしぐら。 今ももちろん好きです。

 tarchanさんは少年でいたいという気持ちがあると書かれていましたが、その気持ちはわかる気がします。
 私の場合は男、女というのでなく、少年人形・少女人形のようでありたいと自分に対して思うわけです。 これだけ書くといろいろと誤解を招きそうですが、別に私にとっては特別でも何でもなくて、極めて 『自然なこと』 なのです。
 TPOによって私は服を使い分けます。 仕事の時、アルバイトの時、コンビニにちょっと行く時、等々…… でもやっぱりレースの着いたブラウスやベロア地の洋服、いわゆる 『少年人形』 『少女人形』 のような格好をしている時が一番落ち着きます。 中身と外見がしっくりと合わさっているような感じです。
 もちろん一人でそのような格好をして 『普通に』 街中を歩くのは勇気が要ります。(とは言え、原宿の竹下通りなんかではそういう子達がいっぱい歩いてます^^。)

 もちろん服装のことだけではありませんが、全てにおいてそういった自身の願望を常に第一に優先して生きていくのは他の誰でもない、自分にとって大切なことだと心底私も思います。 今までさんざ、自分を抑圧して生きてきたがゆえに。
 人間は本当に自分がやりたい、こうしたいと思っていることを第一に優先し、そうするために今自分に何ができるのかを考える。 そういったことにエネルギーを注ぐのが正しい姿だと心から今、私は感じています。
 嫌な言葉ですが、『自分探し』 なんて誰かと一緒にできません。
 着るものから身につけるものから身の回りに置くもの、読む本からそれこそ生き方まで。 自分の趣味と美意識を貫く事がどれだけ大変なことか。 そしてそのことにエネルギーを注ぐのがどれだけ楽しいことか。(ラクではないですね)

 tarchanさんは今、いろいろと気付いていることがあることと思います。 今は自身の身の回りのことだけかもしれませんが、tarchanさんなりの方法で天下布美を実現していって下さい。
 人は自分の信じている事がそのまま表に出るものだと、私は思っています。 そして生きてきたように死んで行くと思います。 それは場所とかじゃなくて、その人の風景だと思います。 その人がどんな風景をその瞳に映して生きてきたか。
 結局人は意識したように、信じたようにしか生きられないと思うのです。 だから第2希望優先で生きてきた人にはどんなに心の底で第一希望優先で生きたいと思っても実践してなければやっぱり第2希望のままの人生だと思います。

 私も楽しいことばかりではありませんが、人間の可能性は自分が、そして世間が相対的に考えているほど小さいものではないと思います。
 世の中でいわゆる 『他人とは違うすごい事』 を成してる人間は、大体それに気付いている人だと思います。 自分の頭に浮かんだ事は、自身に実現可能な人生であり姿なのだと。

【返信】

 ホームページを見てくださってどうもありがとうございます。
 メンスカに関するご感想と励ましのお言葉を寄せていただき、誠に感謝いたします。 それと同時に、今後の新たな励みになりましたことをお伝えしておきます。どうもありがとうございました。

 KEIさんはゴシック・ロリータ系のファッションに興味をお持ちだということですが、ゴシック・ロリータファッションについては、以前それを特集した雑誌を書店で立ち読みしたこともありますので、わたし自身全く興味がないわけではありません。 むしろ、そうした個性的で美しいファッションをした人たちが巷を堂々と闊歩する世の中になれば、こんなに素晴らしいことはないと考えています。(ちなみに、来春には深田恭子さん主演の 『ゴシック・ロリータ』 ファッションの女の子が主人公の映画 『下妻物語』(原作は嶽本野ばらさん)が封切られるそうです。)

 メンスカにしろ、ゴシック・ロリータファッションにしろ、現実にはやはり人前でそういう格好をするのは勇気が要るものですし、世間の理解もまだまだといった感がありますが、それでも理解や共感を示してくれる人というのは潜在的には数多く存在していると、わたしは確信しています。
 そうした 「声なき声」 を持つ人たちのためにも、わたし自身が頑張って 「こんな悦びがあるんだよ」 「こんな素晴らしい世界があるんだよ」 ということをHPを通じて示し続けていこうと思っている所存です。
 たった一度きりの人生、ならば自分が一番好きなことをするのが本当の生き方だと思いますから。




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